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月と檸檬
海水で満たされた電球の中にベニクラゲが入れられており、モーター制御により規則的に揺れている。電球にはLEDライトが組み込まれており、揺れと連動して明滅する。展示空間内には電車に乗車している際に聞く車内音が響いている。この作品は一見つながりのない様々な要素が、ある手がかりにより、繋がった解釈が可能になるような、隠喩(メタファー)や類推(アナロジー)といった認知心理学的メソッドをテーマとしている。
事象には文脈に沿った意味がある。周囲の環境の変化や主体の情感のコンディションによって文脈は様々に変容し、我々は事象の意味を読み替える行為を行う。その行為は、もののかたちや色といった視覚的な認知にも影響を及ぼし、我々の感受の柔軟性や多様性の根拠となっている。この作品では、事象が持つ本来の意味を剥奪する空間を創出し、見るものの記憶や経験を拠所とした情景の想起を促すことを目的としている。
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